味園ユニバース 回想その二

早朝

浪速公園

ベンチ


ポチ男の段ボール箱



あのときの 


「カスミ!」



繰り返し繰り返し脳内再生される



映画を観て間もない頃

茂雄の心情ばかり追っていた。



しかし

どうなん?

あのときのカスミの想い。



ポチ男の収集物を
茂雄に返す。


過去なんて捨ててしまえ。

ポチ男でいればいいやん。


そういう
カスミの、精一杯?!


4つしかなかった
カスミの世界には
親指分拡がった今があった


それでも
その拳を硬く握り
茂雄に殴りかかる

そしてそれを
しっかり
受け止める茂雄。


通じあっているのに
傍にいられない

傍に来るな!と
拒絶される


通じあっているのに。



父親をなくして
つっぱって生きてきたカスミの
やわかいとこ。



あのとき茂雄がはじめて
「カスミ」
と名前でよんだから

カスミはポチ男を
取り戻す決心をしたんだと
思う、今日この頃。







ノウナイデ